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微生物腐食(MIC)に関する研究

自然環境には多くの微生物が生息しており,浮遊状態よりも細菌同士あるいは固体表面に付着して存在しています。 一旦材料表面に吸着した微生物は菌体外に主に多糖から構成される細胞外マトリックスを分泌し,他の微生物の付着を促進することによりその厚みを増します。 このようにして形成されたバイオフィルム(biofilm) の中には様々な微生物が存在し,一種の生態系を形成しています。 バイオフィルム表面は溶存酸素に富むことから好気性微生物群が,溶存酸素が消費されたバイオフィルム内部は嫌気性微生物群が主に増殖します。

バイオフィルムの例を挙げると,川底の石表面に形成されるバイオフィルムは水中の様々な有機化合物に対して分解活性を持っており,河川の自浄作用に大きく貢献していることが知られています。 また,生物膜法など水処理の分野でも積極的に応用されています。

一方,バイオフィルムは冷却管などの金属表面にも形成され,管の閉塞あるいは伝熱効率の低下を引き起こします。さらに,バイオフィルムの形成が進行すると, 金属の腐食が促進されることが大きな問題となっています。金属に限らず材料が微生物により腐食する現象を MIC (Microbiologically Influenced Corrosion) と呼んでいます。

私達は主に以下の点からバイオフィルムの研究を行っています。
  1. カソード防食によるバイオフィルムの制御
  2. 冷却管内に形成されるバイオフィルムの定量
  3. バイオフィルム中の硫酸塩還元菌(SRB)の微生物腐食に対する影響